バトン。 01/26/2008
「レーダー、作者はブログ84の方角に逃亡中」
「了解」
「見つけ次第、捕獲」
「こちらルイス、今、ピーターの方向に向かって南下中」
「了解」
「よし、感付かれないように接近」
***
茉莉>なんで寄ってたかってこんなバトンのために捕獲されなくちゃいけないわーけー!?
ピーター>うるさい。さっさと答えろ!最後まで俺様のことを応援してくれたkazu巡査部長の命令だ!!
茉莉>勝手に思い込みやがって。
☆注意☆(強制的に)
以下のルールを守って下さい
☆回ってきた人は3日以内に回答すること
☆嘘偽りなく答えること
☆アンカーは禁止
☆回した人は回された人がルールを守っているか確認に回ること
☆守ってない場合は罰ゲームを考えてやらせてやること
★罰ゲーム
茉莉>誰にも回さないからパス。
★まずはバトンを回す人を5人教えて下さい(名前を挙げられた人はドキドキしながら見ましょう)
茉莉>アンカーです。
ルイス>わ、堂々たるルール違反。
★貴方の名前は?
茉莉>茉莉です。一応言っておきますがモーリーと読んでください。
★年はいくつ?
茉莉>あと二ヵ月弱で21。
★好きなものはなぁに?
茉莉>きかんしゃトーマスのエドワード。
ピーター>なんか、これからの回答に嫌な予感がしてきますが・・・
★恋人はいる?
茉莉>作ろうとも思わない。
テドロ>ダメだこいつ、トーマス一直線だ・・・
★好きなタイプは?
茉莉>エドワードみたいな人。
ルイス>希少だと思うよ。
★嫌いなタイプは?
茉莉>ディーゼル、クランキー、スクラフィー、貨車、バルストロード、ジョージ。
ピーター>・・・・・
★好きな漫画・ゲーム・小説・映像は?
茉莉>きかんしゃトーマス。
ルイス>・・・・・
★好きな食べ物は?
茉莉>昔のバトン参照。
マルコ>手抜きだな。
★好きな音楽は?
茉莉>「ちいさなきかんしゃ」、「冬のワンダーランド」、「きてきのうた」、「こわくないよ」の英語バージョン、「ドナルドのあひる」、「トビーの歌」、「やっかいな貨車たち」、あと題名忘れたけど新入り5人組の歌、ヘンリーとジェームスとバーティーとテレンスのテーマソング。
ルイス>全部きかんしゃトーマスからだろ?
★好きなブランドは?
茉莉>マリー・クレール。
ルイス>理由は?
茉莉>特になし。
★回してくれた人はどんな人?
茉莉>頼りになる、やさしい方です。本当にお世話になっています。ありがとう\(≧▽≦)/
★回してくれた人の心の色は?
茉莉>暖色系。
★貴方の心の色は?
茉莉>トーマスカラー。
ペッパー>やめろ。
★最後に貴方が回す人のイメージカラーをつけて下さい。
茉莉>昔のバトン参照。
アイ>そういえば、昔そんなバトンあったわね。
★罰ゲーム・・・幼い頃の笑い話か最近の恥ずかしい話・・・
茉莉>12月31日、閉店後トーマスのガチャガチャをやっているところを閉店して中に入れなかった客に見られた。
ルイス>出たの、貨車でしたしね。
「了解」
「見つけ次第、捕獲」
「こちらルイス、今、ピーターの方向に向かって南下中」
「了解」
「よし、感付かれないように接近」
***
茉莉>なんで寄ってたかってこんなバトンのために捕獲されなくちゃいけないわーけー!?
ピーター>うるさい。さっさと答えろ!最後まで俺様のことを応援してくれたkazu巡査部長の命令だ!!
茉莉>勝手に思い込みやがって。
☆注意☆(強制的に)
以下のルールを守って下さい
☆回ってきた人は3日以内に回答すること
☆嘘偽りなく答えること
☆アンカーは禁止
☆回した人は回された人がルールを守っているか確認に回ること
☆守ってない場合は罰ゲームを考えてやらせてやること
★罰ゲーム
茉莉>誰にも回さないからパス。
★まずはバトンを回す人を5人教えて下さい(名前を挙げられた人はドキドキしながら見ましょう)
茉莉>アンカーです。
ルイス>わ、堂々たるルール違反。
★貴方の名前は?
茉莉>茉莉です。一応言っておきますがモーリーと読んでください。
★年はいくつ?
茉莉>あと二ヵ月弱で21。
★好きなものはなぁに?
茉莉>きかんしゃトーマスのエドワード。
ピーター>なんか、これからの回答に嫌な予感がしてきますが・・・
★恋人はいる?
茉莉>作ろうとも思わない。
テドロ>ダメだこいつ、トーマス一直線だ・・・
★好きなタイプは?
茉莉>エドワードみたいな人。
ルイス>希少だと思うよ。
★嫌いなタイプは?
茉莉>ディーゼル、クランキー、スクラフィー、貨車、バルストロード、ジョージ。
ピーター>・・・・・
★好きな漫画・ゲーム・小説・映像は?
茉莉>きかんしゃトーマス。
ルイス>・・・・・
★好きな食べ物は?
茉莉>昔のバトン参照。
マルコ>手抜きだな。
★好きな音楽は?
茉莉>「ちいさなきかんしゃ」、「冬のワンダーランド」、「きてきのうた」、「こわくないよ」の英語バージョン、「ドナルドのあひる」、「トビーの歌」、「やっかいな貨車たち」、あと題名忘れたけど新入り5人組の歌、ヘンリーとジェームスとバーティーとテレンスのテーマソング。
ルイス>全部きかんしゃトーマスからだろ?
★好きなブランドは?
茉莉>マリー・クレール。
ルイス>理由は?
茉莉>特になし。
★回してくれた人はどんな人?
茉莉>頼りになる、やさしい方です。本当にお世話になっています。ありがとう\(≧▽≦)/
★回してくれた人の心の色は?
茉莉>暖色系。
★貴方の心の色は?
茉莉>トーマスカラー。
ペッパー>やめろ。
★最後に貴方が回す人のイメージカラーをつけて下さい。
茉莉>昔のバトン参照。
アイ>そういえば、昔そんなバトンあったわね。
★罰ゲーム・・・幼い頃の笑い話か最近の恥ずかしい話・・・
茉莉>12月31日、閉店後トーマスのガチャガチャをやっているところを閉店して中に入れなかった客に見られた。
ルイス>出たの、貨車でしたしね。
怪物紳士の歌 あとがき 01/23/2008
「憧れの南米」
地球は球体である。
いや、厳密に言えば北極と南極を押しつぶした楕円球なのである。
無数に頂点があるわけで、私たちはいつも頂点にいるわけである。
憧れます、南米。
地球の裏側、南米。
トイレに座っているときも、この足の裏には何があるんだろう、あなたが今いる地球の反対側は○○家のトイレがあるんですよ、なんて言われたらびっくりするだろうなぁって。
憧れる、南米。
耳を地面に付ければ、歌声が聞こえてくる。
地球の裏側、南米・・・
憧れの、南米・・・
茉莉>・・・・・
ルイス>?
茉莉>なんだかだんだんルイスがキカイダーに見えてきてしまった茉莉です。
ルイス>キカイダーって・・・
茉莉>そしてペッパーが仮面ライダーアマゾンに似てるような・・・ってグハッ!!
ペッパー>そこで俺がア・マ・ゾーーーンなんて乗るわけがないだろ。貴様のジョークに付き合うのは最初からお断わりだ。
茉莉>チッ。
レダ>半分乗ってんじゃんかよ。
茉莉>さてさて、茉莉の小説あとがき恒例、「名前の由来」!!
ピーター>どうせ俺はピーターラビットとか言うんだろ。
茉莉>大正解。
ピーター>・・・・・
茉莉>高校の頃、図書委員をしていまして、文化祭でハリーポッターを初めイギリス文学について展示をしようということになり、私の担当はピーターラビットだったからです。今でもピーターラビットは好きです。かあいい☆
ルイス>じゃ俺は?
茉莉>ビートルズのルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズから。あの曲聞くと何でか知らないけどペルーのチチカカ湖イメージする。
ルイス>よくわかりませんが・・・
茉莉>でもってマルコは母を訪ねて三千里から、テドロはなんとなく。二人とも南米っぽい名前にしたかったの。
マルコ>そうでしたか。
茉莉>ペッパーは新聞のペーパーから、レダもレーダーから。登場人物紹介の「Red.A」の表記は特に意味は無し。アイも普通に「目」から。カレンもカーペンターズから。
アイ>安易すぎるわね。
レダ>あたしって一体・・・
茉莉>それにしても執筆が遅くなってごめんなさい。
テドロ>お前がトーマスにはまるからだろ。
茉莉>トーマスは予想外でした。まさかこんなにはまるとは。みなさん、別館にも遊びにきてください。
ピーター>それより新連載の宣伝をしろ!
茉莉>やなこったパンナコッタ!トーマス大好きだぜオーイェー!!
ペッパー>イラストも増やすとか言っておきながらまともに描いてないくせに。
茉莉>ギクッ。
シャオ>先が思いやられるぜ。
茉莉>まぁ完結できたからもうそれはよし。画面の向こうの皆様、本当にありがとうございました。じゃあ最後に皆さんこれ持って。
ピーター>?
茉莉>さあさあ皆さんもご一緒に。
ルイス>缶ビール?
茉莉>グリーンダヨ!!!
ルイス>イインダヨ〜!!
他一同>・・・・・
怪物紳士の歌 最終話 01/22/2008
最終話 その後、カフェにて
「カレン」
車は商店街の適当な駐車場に止めた。灰色の裏路地で、参勤交代制の作業員たちで賑わう声が響く。
カレンはじっと下を向いたまま、野菜か何かを切っていた。
「カレン、悪かったよ、何も知らなかったから」
カレンはまだちらほらと顔に赤いウロコを付けたまま、沈んだ表情をしていた。
「だいぶ落ち着いたかい?」
「・・・・・」
カレンは黙ったままで、ルイスは立ちっぱなしで次の言葉が出てこなかった。
「カレン、その・・・」
「ルイス」
カレンは突然ルイスの方を見た。
「メカ・インディオは本当に死んだの?」
「多分な」
「私、もう普通には戻れないの?」
「まだ変なのか?」
「うん」
「・・・・・」
呪いだからな、と、言うわけにはいかない。カレンが余計に沈んでしまう。
「大丈夫か」
ルイスは隣に座る。
バキッ
座っていたベンチがきしむ音。
「あはは」
「あらら」
「太ったの?」
「痩せたよ」
「嘘でしょ」
「本当さ。食事が喉を通らない」
「キムチでも食べたら?」
「やだよ、辛いの嫌」
「相変わらず好き嫌い激しいんだから」
「悪かったな」
「ところで何よ、こんなところに現われて」
「ただ様子が気になっただけさ」
「・・・そう」
「心配した」
「別にしなくても・・・」
カレンは口籠もった。
「ごめんなさい、ありがとう」
「カ、カレン、突然悪いんだけど、まだ僕のこと、前と同じように・・・思ってる?」
「・・・・・」
「僕は・・・その、やり直せたらいいなと思ってる」
カレンはパッと顔を上げた。その瞬間だけ、カレンの顔にはウロコがなかった。
「ルイス・・・」
カレンは両手を顔に当てて泣きだした。とたんに、再度手にはウロコが・・・
「カレン」
ヒヤリと冷たいものが、カレンの手に触れた。
「顔を見せて」
それはルイスの義手だった。ルイスは両手でカレンの顔に触れ、正面からじっと見た。
「可愛そうに」
ルイスは静かに両手を自分の左肩の方へ持っていき、目を閉じた。カレンの背中に、暖かい左手の感触と、冷たい義手の感触が広がる。
「また来るよ、カレン」
「ええ。また・・・」
***
ルイスがカフェに帰って来たのは、もう日が沈み、一番星が見えるくらいだった。
「?」
なんだか、にぎやかな音が聞こえるぞ・・・誰か楽器でも演奏しているのかな?
その通りだった。
「わっ!」
カフェを覗くと、たくさんの人だかり。ルイスは車庫に車を入れ、店の裏から中に入る。
「一体なんなんだ!?」
ルイスは服も着替えずに厨房につながるドアから入ったもんだから、店長にコツンと頭を叩かれた。でもそんなことよりも気になるのはステージだ。
「!?」
ちょうど歌が終わったらしく、大拍手。観客の視線の先には、なんと赤いゴージャスな服を着た女性。長くてパーマのかかった黒髪をなびかせながら、カスタネットを持った白い手を真っすぐに天井へ伸ばす。
「うわ・・・」
その綺麗なダンスに見とれている場合ではない。よくよく見るとその後ろでピーターとマルコがギターにパーカッション。店内はほぼ満席。
「おや、君」
振り向くと店長がいる目の前のカウンターに新聞記者ペッパーが座っていた。片手には本日の夕刊、カウンターには水とメモ帳。新聞記事でも考えているんだろうか。
「君のことを記事にしたいと思うんだがね」
「い、いいですよ、僕・・・」
「せっかくだから応じてやれよ。はるばる遠くから来てるんだから」
と、店長。
「いや、それが例の件は真実性に欠けるからな。もっとましな記事が書きたいよ」
確かに、メカ・インディオなんて誰が信じるもんだろう。
「君、幾つ?」
「は、はぁ、この世に生まれて27年です」
と、ぎこちないインタビューが始まる。きっとテドロはもう家に帰っているだろう。それにしてもあのピーターというやつ、本当に有名人なんだな・・・と、思いながら、ルイスはペッパーの向かいに座り、次の歌が始まる。そうこうしているうちに、お開きの時間がやってきた。
「ひー、手が痛い」
「ハハハ、悪いなマルコ。でもリズム感はバッチリだ。君と演奏できて嬉しいよ」
「いえこちらこそ。あなたと演奏できてよかったです。ピーターさん。どうぞ、お元気で」
「ああ」
マルコはボディガードに連れられながら店を後にした。
「あらぁ、ルイス君!」
ステージで踊っていた人物、レダが近寄る。
「素敵なカフェね。また来たいくらい。でも仕事柄、あまり長居はできないのよね」
派手な衣装の割に、踊りが終わった後の少し沈んだ顔。
「いくぞ、レダ。ルイス君、取材に応じてくれてありがとう。また謝礼は郵送する」
「兄貴!ちょっと待ってよ!」
ペッパーはスタスタと店を出ていったが、レダは玄関で振り返った。
「元気でね!チャオ!!」
と、ウインクした。
「ハッハッハ、まさかあんたがピーター・ベンジャミンだったとはなぁ」
と、のんきな店長。見ると店の壁にはピーターのサイン色紙まで飾ってある。
「お世話になりました、店長」
「いえいえ、なんのなんの」
ピーターはルイスの方を見た。
「悪かったな。彼女とはうまく行ったか?」
「ええ・・・まぁ・・・」
「すまないな。よく考えてみれば俺も彼女と別れたってのに」
アイのことである。
「気にしてませんよ」
「・・・そうか」
「アイさん、どんな顔だったんです?」
「見たいか?」
「ええ」
「ちょっと待ってろ」
ピーターは自分の部屋から何かを持ってきた。
「ほら」
それは一枚の古いレコードだった。表には二人の写真がある。
「・・・・・」
顔だけを見れば、確かに別人のようである。少し肌か浅黒く、髪の毛も金髪ではなくて茶色である。若干目が細く、口が大きいのだろう。服装は赤い質素なドレスで、きっとテンポのいい曲で、弾みながら歌っているのだろうか、愛くるしい笑顔に、後ろで楽しそうにピアノを弾くピーター。
「聞いてみるか?」
店長に言われ、店の機械を借りて再生してみる。
「いい曲だな」
と、店長。
「ええ。私の若い頃の歌ですが」
弾む感じの楽しそうな曲。恋人とドライブに行くにはいい曲である。歌詞の内容は、恋人たちの愛を祈っているような歌である。
「懐かしい曲ね」
入り口から声がした。今流れている曲と、確かに同じ声。
「アイ・・・」
「俺になんの用だ」
「あなたに用なんてないわよ。ルイス君にお礼を言いにきただけよ。遅くなってごめんなさい。迷惑かけたわ。よろしければ皆さんで召し上がって頂戴」
と、アイは菓子箱を近くのテーブルに置き、向きを変えて立ち去ろうとした。
「待てよ、アイ」
アイは振り返る。ルイスは、ピーターは次に何を言うのか気になった。
「夜は危険すぎる」
「・・・・・」
「そ・・・そ、そうですとも!」
と、ルイス。
「ハッハッハ、まぁお嬢さん、そこに座りなさい」
と、続けて店長。
「えっ・・・あっ・・・」
「帰り支度をしてくる」
ピーターは部屋へ帰った。ルイスは半ば強引にアイをカウンターに座らせ、店長は慣れた手つきでカクテルを作る。
「綺麗な色・・・」
小さな逆三角形のグラスに済んだ水色のカクテル。アイは一口飲み、目を閉じ味を噛み締める。目から涙が溢れる。
「ありがとう、ルイス」
ピーターが降りてきた。
「そのレコード、お前にやるよ!」
と、やけっぱちのピーター。
「あっ、だったらサインしてください、お二人とも・・・」
と、レコードの箱を渡すルイス。アイとピーターは笑いながらサインペンでサインを書く。
「世話になったな、ルイス」
「また来てください。いつでも」
「アディオス!(さよなら!)」
「アディオス!」
ピーターとアイは、星空の町を歩いていった。
***
翌日の新聞にはゴーストタウン炎上のニュースが大きく取り上げられ、焼け跡から発見された少女の遺体の身元の判明を急いでいるらしい。また、マルコに容疑がかかっていた殺人事件はそのニュース記事の隅っこに小さく「犯人はメカ・インディオ?」たる記事が載っていた。一応、アイが撮った写真付きで。
***
あれからルイスもカレンもそのまま仕事を続け、頃合いを見て結婚したらしい。今では夫婦仲良くカフェを経営しており、時折マルコも楽器を演奏しにやってくる。また、テドロも学校を卒業し、この町を離れたくないのかコンビナートのどこかで働いている。ルイスとカレンの間に子供が何人か生まれ、にぎやかに、しかしうるさい日常を送っている。
また、ピーターやカレンにかかっていた呪いは、時経つうちに徐々に退いていったらしい。だが、何故メカ・インディオが誕生したのかは、未だ不明である。
ピーターとアイのその後に関しては、想像にお任せする。
そろそろ、お別れの時間である。
終わり
「カレン」
車は商店街の適当な駐車場に止めた。灰色の裏路地で、参勤交代制の作業員たちで賑わう声が響く。
カレンはじっと下を向いたまま、野菜か何かを切っていた。
「カレン、悪かったよ、何も知らなかったから」
カレンはまだちらほらと顔に赤いウロコを付けたまま、沈んだ表情をしていた。
「だいぶ落ち着いたかい?」
「・・・・・」
カレンは黙ったままで、ルイスは立ちっぱなしで次の言葉が出てこなかった。
「カレン、その・・・」
「ルイス」
カレンは突然ルイスの方を見た。
「メカ・インディオは本当に死んだの?」
「多分な」
「私、もう普通には戻れないの?」
「まだ変なのか?」
「うん」
「・・・・・」
呪いだからな、と、言うわけにはいかない。カレンが余計に沈んでしまう。
「大丈夫か」
ルイスは隣に座る。
バキッ
座っていたベンチがきしむ音。
「あはは」
「あらら」
「太ったの?」
「痩せたよ」
「嘘でしょ」
「本当さ。食事が喉を通らない」
「キムチでも食べたら?」
「やだよ、辛いの嫌」
「相変わらず好き嫌い激しいんだから」
「悪かったな」
「ところで何よ、こんなところに現われて」
「ただ様子が気になっただけさ」
「・・・そう」
「心配した」
「別にしなくても・・・」
カレンは口籠もった。
「ごめんなさい、ありがとう」
「カ、カレン、突然悪いんだけど、まだ僕のこと、前と同じように・・・思ってる?」
「・・・・・」
「僕は・・・その、やり直せたらいいなと思ってる」
カレンはパッと顔を上げた。その瞬間だけ、カレンの顔にはウロコがなかった。
「ルイス・・・」
カレンは両手を顔に当てて泣きだした。とたんに、再度手にはウロコが・・・
「カレン」
ヒヤリと冷たいものが、カレンの手に触れた。
「顔を見せて」
それはルイスの義手だった。ルイスは両手でカレンの顔に触れ、正面からじっと見た。
「可愛そうに」
ルイスは静かに両手を自分の左肩の方へ持っていき、目を閉じた。カレンの背中に、暖かい左手の感触と、冷たい義手の感触が広がる。
「また来るよ、カレン」
「ええ。また・・・」
***
ルイスがカフェに帰って来たのは、もう日が沈み、一番星が見えるくらいだった。
「?」
なんだか、にぎやかな音が聞こえるぞ・・・誰か楽器でも演奏しているのかな?
その通りだった。
「わっ!」
カフェを覗くと、たくさんの人だかり。ルイスは車庫に車を入れ、店の裏から中に入る。
「一体なんなんだ!?」
ルイスは服も着替えずに厨房につながるドアから入ったもんだから、店長にコツンと頭を叩かれた。でもそんなことよりも気になるのはステージだ。
「!?」
ちょうど歌が終わったらしく、大拍手。観客の視線の先には、なんと赤いゴージャスな服を着た女性。長くてパーマのかかった黒髪をなびかせながら、カスタネットを持った白い手を真っすぐに天井へ伸ばす。
「うわ・・・」
その綺麗なダンスに見とれている場合ではない。よくよく見るとその後ろでピーターとマルコがギターにパーカッション。店内はほぼ満席。
「おや、君」
振り向くと店長がいる目の前のカウンターに新聞記者ペッパーが座っていた。片手には本日の夕刊、カウンターには水とメモ帳。新聞記事でも考えているんだろうか。
「君のことを記事にしたいと思うんだがね」
「い、いいですよ、僕・・・」
「せっかくだから応じてやれよ。はるばる遠くから来てるんだから」
と、店長。
「いや、それが例の件は真実性に欠けるからな。もっとましな記事が書きたいよ」
確かに、メカ・インディオなんて誰が信じるもんだろう。
「君、幾つ?」
「は、はぁ、この世に生まれて27年です」
と、ぎこちないインタビューが始まる。きっとテドロはもう家に帰っているだろう。それにしてもあのピーターというやつ、本当に有名人なんだな・・・と、思いながら、ルイスはペッパーの向かいに座り、次の歌が始まる。そうこうしているうちに、お開きの時間がやってきた。
「ひー、手が痛い」
「ハハハ、悪いなマルコ。でもリズム感はバッチリだ。君と演奏できて嬉しいよ」
「いえこちらこそ。あなたと演奏できてよかったです。ピーターさん。どうぞ、お元気で」
「ああ」
マルコはボディガードに連れられながら店を後にした。
「あらぁ、ルイス君!」
ステージで踊っていた人物、レダが近寄る。
「素敵なカフェね。また来たいくらい。でも仕事柄、あまり長居はできないのよね」
派手な衣装の割に、踊りが終わった後の少し沈んだ顔。
「いくぞ、レダ。ルイス君、取材に応じてくれてありがとう。また謝礼は郵送する」
「兄貴!ちょっと待ってよ!」
ペッパーはスタスタと店を出ていったが、レダは玄関で振り返った。
「元気でね!チャオ!!」
と、ウインクした。
「ハッハッハ、まさかあんたがピーター・ベンジャミンだったとはなぁ」
と、のんきな店長。見ると店の壁にはピーターのサイン色紙まで飾ってある。
「お世話になりました、店長」
「いえいえ、なんのなんの」
ピーターはルイスの方を見た。
「悪かったな。彼女とはうまく行ったか?」
「ええ・・・まぁ・・・」
「すまないな。よく考えてみれば俺も彼女と別れたってのに」
アイのことである。
「気にしてませんよ」
「・・・そうか」
「アイさん、どんな顔だったんです?」
「見たいか?」
「ええ」
「ちょっと待ってろ」
ピーターは自分の部屋から何かを持ってきた。
「ほら」
それは一枚の古いレコードだった。表には二人の写真がある。
「・・・・・」
顔だけを見れば、確かに別人のようである。少し肌か浅黒く、髪の毛も金髪ではなくて茶色である。若干目が細く、口が大きいのだろう。服装は赤い質素なドレスで、きっとテンポのいい曲で、弾みながら歌っているのだろうか、愛くるしい笑顔に、後ろで楽しそうにピアノを弾くピーター。
「聞いてみるか?」
店長に言われ、店の機械を借りて再生してみる。
「いい曲だな」
と、店長。
「ええ。私の若い頃の歌ですが」
弾む感じの楽しそうな曲。恋人とドライブに行くにはいい曲である。歌詞の内容は、恋人たちの愛を祈っているような歌である。
「懐かしい曲ね」
入り口から声がした。今流れている曲と、確かに同じ声。
「アイ・・・」
「俺になんの用だ」
「あなたに用なんてないわよ。ルイス君にお礼を言いにきただけよ。遅くなってごめんなさい。迷惑かけたわ。よろしければ皆さんで召し上がって頂戴」
と、アイは菓子箱を近くのテーブルに置き、向きを変えて立ち去ろうとした。
「待てよ、アイ」
アイは振り返る。ルイスは、ピーターは次に何を言うのか気になった。
「夜は危険すぎる」
「・・・・・」
「そ・・・そ、そうですとも!」
と、ルイス。
「ハッハッハ、まぁお嬢さん、そこに座りなさい」
と、続けて店長。
「えっ・・・あっ・・・」
「帰り支度をしてくる」
ピーターは部屋へ帰った。ルイスは半ば強引にアイをカウンターに座らせ、店長は慣れた手つきでカクテルを作る。
「綺麗な色・・・」
小さな逆三角形のグラスに済んだ水色のカクテル。アイは一口飲み、目を閉じ味を噛み締める。目から涙が溢れる。
「ありがとう、ルイス」
ピーターが降りてきた。
「そのレコード、お前にやるよ!」
と、やけっぱちのピーター。
「あっ、だったらサインしてください、お二人とも・・・」
と、レコードの箱を渡すルイス。アイとピーターは笑いながらサインペンでサインを書く。
「世話になったな、ルイス」
「また来てください。いつでも」
「アディオス!(さよなら!)」
「アディオス!」
ピーターとアイは、星空の町を歩いていった。
***
翌日の新聞にはゴーストタウン炎上のニュースが大きく取り上げられ、焼け跡から発見された少女の遺体の身元の判明を急いでいるらしい。また、マルコに容疑がかかっていた殺人事件はそのニュース記事の隅っこに小さく「犯人はメカ・インディオ?」たる記事が載っていた。一応、アイが撮った写真付きで。
***
あれからルイスもカレンもそのまま仕事を続け、頃合いを見て結婚したらしい。今では夫婦仲良くカフェを経営しており、時折マルコも楽器を演奏しにやってくる。また、テドロも学校を卒業し、この町を離れたくないのかコンビナートのどこかで働いている。ルイスとカレンの間に子供が何人か生まれ、にぎやかに、しかしうるさい日常を送っている。
また、ピーターやカレンにかかっていた呪いは、時経つうちに徐々に退いていったらしい。だが、何故メカ・インディオが誕生したのかは、未だ不明である。
ピーターとアイのその後に関しては、想像にお任せする。
そろそろ、お別れの時間である。
終わり
怪物紳士の歌 第十四話 01/11/2008
第十四話 歌よ、響け
「!!」
後方でゴーストタウンが炎上している。
「乗って!!」
カレンはトラックの運転席に乗った。慌ててピーターたちも乗り込む。そしてすぐさま車を発進させ、湖添いを走る。
「逃がすか・・・」
突然のことにも慌てず騒がないメカ・インディオ。逆に何か企んでいるに違いない。しかし、とりあえず今は逃げる。逃げるんだ。
「付いてきてるの?」
「さあ、わかんねぇな」
湖添いには多少の瓦礫があったが、なんとか道はつながっていた。
一方でレダとテドロとペッパーの三人は、ゴーストタウンから少し離れた小さな空き地にいた。つまりは墓地の駐車場というところか。
「あらら、倒壊しちゃった」
レダが口を開く。
「勿体ない」
と、ペッパー。
「コンクリートって再利用できないのかしらね」
「ま、壊すのにも金がかかるから感謝されてるぜ、メカ・インディオ」
「・・・・・」
テドロは黙っていた。まだメカ・インディオは死んだわけじゃない。
「テドロ!!」
声のした方向へ一斉に振り向く。
「兄貴!」
テドロは丘を掛け下りてくる二人を見た。
「テドロ、無事か?」
マルコとルイスだった。
「一体何が起きたんだ?」
ペッパーは尋ねる。
「メカ・インディオの仕業だ!本来はコンビナートを破壊するつもりだったが、間一髪防いだ」
「何だって!?あの中にピーターがいるんだぞ!!」
「何だって!?」
改めてゴーストタウンの方を見たが、煙がもくもくと立ちこめているだけだった。ふもとの方からは消防車のサイレンが響く。ルイスはハッとしてテドロに尋ねる。
「テドロ、ケーナっていう原住民の女の子を知ってるか?」
「知らない。誰だ?」
「わからない。メカ・インディオと関係があると思うが、爆弾を抱えていた」
「何だと?」
「だが自分で自分のことをアンドロイドだと言っていた」
「メカ・インディオに洗脳されてるのかも知れないな」
「ああ・・・そうかもな」
ルイスは下を向いた。そして、再び顔を上げてテドロに尋ねる。
「テドロ、君は前にメカ・インディオに育てられたと聞いたけど、どうしてメカ・インディオから逃げることができたんだ?」
「自力で逃げただけさ。まだ力があったから」
「・・・そう」
「ひょっとして・・・か弱い女の子、言うこと聞く小さい女の子を爆弾として使ったのかも」
マルコは言った。それっきり皆、黙り込んでしまった。
「車は死んじゃいないな」
ペッパーが発信機の様子を伺う。
「こっちに来る」
ブロロロォン!!
砂埃を巻き上げ、一台のトラックがブレーキをかける。ガバッとドアが開き、ピーターとアイがトラックから降りた。
「無事か!?」
ピーターよりもペッパーの方が先にメカ・インディオの存在に気が付いた。
「伏せろ!」
ペッパーはピーターに駆け寄り、頭をつかんで床に伏した。
ドスッ・・・
地面に一本の矢が刺さる。顔を上げると、そこには鉄くずでできた一人の生きものがいた。
「邪魔ばかりしやがって」
メカ・インディオは余裕の表情だった。ふとペッパーはしゃがんでいるピーターに目が行く。小さく震えており、肌の色は緑掛かっている。頭からは二本の太い角が伸びていた。ピーターはゆっくり立ち上がると、ふらつく足をしっかりと地面に着け、メカ・インディオの方を見た。
「殺すなら俺だけ殺してさっさと消え失せるんだな」
「そうはいくか」
「ならこれ以上被害が拡大しないようここでお前を始末していく」
「やれるならやってみろ」
その時、メカ・インディオの目を成すダイオードが青白く光った。
「わっ!」
ピーターが振り返ると、テドロが屈みこんでいた。この展開は、ある程度予想していた。商店街でカレンは自分を攻撃した。いつテドロやマルコが襲ってくるか、またいつ自分が誰かを攻撃するかわからない。
「!!」
上空から、何かが自分を目がけて急降下してくる。それもわかる。巨大な鳥だ。
「くっ・・・」
ピーターは地面に倒された。アイはピストルを構えようかと思ったが、それも無理だ。巨大な鳥が巻き起こす強い風に、耐えられない。
「やめろおおおぉぉぉ!!」
ピーターの視界に見えたのは、ルイスだった。右手を振りかざして、メカ・インディオを目がけて立ち向かっている。
「ルイス!!」
バリバリバリバリバリ・・・
溶接の火花が散るような音がした。ガシャン、ガシャンと音を立ててメカ・インディオが崩れていく。
「メカ・インディオ・・・」
ピーターは体を起こした。テドロとマルコも地面に座り込み、その様子を見ていた。ふっと風が止み、辺りが静まり返る。
「ルイス・・・」
あっけなく、ルイスの手によってメカ・インディオは崩れ落ちてしまった。
「な・・・何だったの?今の」
レダの声。
「護身用の・・・電流が流れる義手だよ。それよりも・・・」
ルイスはピーターとアイが乗ってきたトラックに駆け寄った。
「カレン・・・」
カレンは運転室のドアを開けた。
「ごめんなさい。仕事があるの」
ルイスはカレンの顔をはっきりと見た。頬からちらほら赤色に光る、ウロコが生えている。バタンとドアが閉まると、トラックは発車した。
ブロロロロロ・・・
ルイスは立ったまま、走り去るトラックを見ていた。
「我々の役目は終わった。帰るぞ、レダ」
珍しくペッパーが口を開く。
「そうね。私たちが口を挟むところじゃないみたい」
レダはちらっとアイの方を見ると、さっと車に乗り込み、走り去っていった。
「待ちなさいよレダ!何であなたがここにいるのよ!!」
アイは少し走ったあと、走るのをやめて立ち止まった。
「・・・・・」
「ルイス、追い掛けなさいよ」
「無理だよ」
「そう・・・じゃあ現場検証のために警察呼ぶから早いところ帰って頂戴。メカ・インディオのあと片付けをしなくちゃいけないから」
「ああ・・・」
***
「つまんないの」
レダは口を尖らせた。
「何がだ」
「なんか面白くない。それにこの格好でアイに会うなんて」
「彼女は我々を一人だと思っているからな」
「兄貴、ちょっと遊んできてもいい?観光よ。観光」
「どこにだ」
「どこだっていいじゃん。ちゃんと変装するからさ」
「あの喫茶店だろ」
「なんでわかるんだよ」
***
アイが携帯電話で警察を呼び、数人駆け付けたのち、アイを除くピーターら四人はルイスの車に乗ってその場を後にした。
「兄貴、ここまででいいよ。後はバスかなんか拾って帰るからさ」
「ああ。そうだとも」
山のふもとの道は人でごった返しているので、でこぼこした裏道を通って一度南の町に出る。
「いいよ。送る」
三人はルイスの事を気にしていた。そろそろ、帰路と南の町、つまりカレンがいる町との分岐点にくる。
「おいテドロ、それからマルコ」
「何だい、おっさん」
助手席のピーターは振り返って二人にささやく。
「逃げるぞ」
「もちろん」
ガバッ!!と三人はそれぞれドアを開け、車から飛び降りた。バタバタとドアを閉める音。
「あーっ!こら!!」
ルイスは運転席から叫んだ。
「呪いは解けたんじゃないのかよ!?」
三人はにやにや笑っている。どうやら呪いはまだ少し残っているようだ。
「頑張れルイス!」
「頑張れ兄貴!」
「チャオ!」
「お前等・・・」
後続車がクラクションを鳴らす。
「チッ・・・」
ルイスはハンドルを切った。
「やったぜおっさん!」
「さ、帰るか」
「ピーターさん、あなたはいつまでこの町にいらっしゃるんです?よければ二、三枚ほどサインをいただきたいのですが」
「ああ。かまわないよ。そうだなぁ、しばらく観光でも楽しむか」
三人は山を掛け下りた。
「何か曲でも作りたいよ。いい曲ができそうだ」
ピーターは笑った。
最終話「その後、カフェにて」につづく
「!!」
後方でゴーストタウンが炎上している。
「乗って!!」
カレンはトラックの運転席に乗った。慌ててピーターたちも乗り込む。そしてすぐさま車を発進させ、湖添いを走る。
「逃がすか・・・」
突然のことにも慌てず騒がないメカ・インディオ。逆に何か企んでいるに違いない。しかし、とりあえず今は逃げる。逃げるんだ。
「付いてきてるの?」
「さあ、わかんねぇな」
湖添いには多少の瓦礫があったが、なんとか道はつながっていた。
一方でレダとテドロとペッパーの三人は、ゴーストタウンから少し離れた小さな空き地にいた。つまりは墓地の駐車場というところか。
「あらら、倒壊しちゃった」
レダが口を開く。
「勿体ない」
と、ペッパー。
「コンクリートって再利用できないのかしらね」
「ま、壊すのにも金がかかるから感謝されてるぜ、メカ・インディオ」
「・・・・・」
テドロは黙っていた。まだメカ・インディオは死んだわけじゃない。
「テドロ!!」
声のした方向へ一斉に振り向く。
「兄貴!」
テドロは丘を掛け下りてくる二人を見た。
「テドロ、無事か?」
マルコとルイスだった。
「一体何が起きたんだ?」
ペッパーは尋ねる。
「メカ・インディオの仕業だ!本来はコンビナートを破壊するつもりだったが、間一髪防いだ」
「何だって!?あの中にピーターがいるんだぞ!!」
「何だって!?」
改めてゴーストタウンの方を見たが、煙がもくもくと立ちこめているだけだった。ふもとの方からは消防車のサイレンが響く。ルイスはハッとしてテドロに尋ねる。
「テドロ、ケーナっていう原住民の女の子を知ってるか?」
「知らない。誰だ?」
「わからない。メカ・インディオと関係があると思うが、爆弾を抱えていた」
「何だと?」
「だが自分で自分のことをアンドロイドだと言っていた」
「メカ・インディオに洗脳されてるのかも知れないな」
「ああ・・・そうかもな」
ルイスは下を向いた。そして、再び顔を上げてテドロに尋ねる。
「テドロ、君は前にメカ・インディオに育てられたと聞いたけど、どうしてメカ・インディオから逃げることができたんだ?」
「自力で逃げただけさ。まだ力があったから」
「・・・そう」
「ひょっとして・・・か弱い女の子、言うこと聞く小さい女の子を爆弾として使ったのかも」
マルコは言った。それっきり皆、黙り込んでしまった。
「車は死んじゃいないな」
ペッパーが発信機の様子を伺う。
「こっちに来る」
ブロロロォン!!
砂埃を巻き上げ、一台のトラックがブレーキをかける。ガバッとドアが開き、ピーターとアイがトラックから降りた。
「無事か!?」
ピーターよりもペッパーの方が先にメカ・インディオの存在に気が付いた。
「伏せろ!」
ペッパーはピーターに駆け寄り、頭をつかんで床に伏した。
ドスッ・・・
地面に一本の矢が刺さる。顔を上げると、そこには鉄くずでできた一人の生きものがいた。
「邪魔ばかりしやがって」
メカ・インディオは余裕の表情だった。ふとペッパーはしゃがんでいるピーターに目が行く。小さく震えており、肌の色は緑掛かっている。頭からは二本の太い角が伸びていた。ピーターはゆっくり立ち上がると、ふらつく足をしっかりと地面に着け、メカ・インディオの方を見た。
「殺すなら俺だけ殺してさっさと消え失せるんだな」
「そうはいくか」
「ならこれ以上被害が拡大しないようここでお前を始末していく」
「やれるならやってみろ」
その時、メカ・インディオの目を成すダイオードが青白く光った。
「わっ!」
ピーターが振り返ると、テドロが屈みこんでいた。この展開は、ある程度予想していた。商店街でカレンは自分を攻撃した。いつテドロやマルコが襲ってくるか、またいつ自分が誰かを攻撃するかわからない。
「!!」
上空から、何かが自分を目がけて急降下してくる。それもわかる。巨大な鳥だ。
「くっ・・・」
ピーターは地面に倒された。アイはピストルを構えようかと思ったが、それも無理だ。巨大な鳥が巻き起こす強い風に、耐えられない。
「やめろおおおぉぉぉ!!」
ピーターの視界に見えたのは、ルイスだった。右手を振りかざして、メカ・インディオを目がけて立ち向かっている。
「ルイス!!」
バリバリバリバリバリ・・・
溶接の火花が散るような音がした。ガシャン、ガシャンと音を立ててメカ・インディオが崩れていく。
「メカ・インディオ・・・」
ピーターは体を起こした。テドロとマルコも地面に座り込み、その様子を見ていた。ふっと風が止み、辺りが静まり返る。
「ルイス・・・」
あっけなく、ルイスの手によってメカ・インディオは崩れ落ちてしまった。
「な・・・何だったの?今の」
レダの声。
「護身用の・・・電流が流れる義手だよ。それよりも・・・」
ルイスはピーターとアイが乗ってきたトラックに駆け寄った。
「カレン・・・」
カレンは運転室のドアを開けた。
「ごめんなさい。仕事があるの」
ルイスはカレンの顔をはっきりと見た。頬からちらほら赤色に光る、ウロコが生えている。バタンとドアが閉まると、トラックは発車した。
ブロロロロロ・・・
ルイスは立ったまま、走り去るトラックを見ていた。
「我々の役目は終わった。帰るぞ、レダ」
珍しくペッパーが口を開く。
「そうね。私たちが口を挟むところじゃないみたい」
レダはちらっとアイの方を見ると、さっと車に乗り込み、走り去っていった。
「待ちなさいよレダ!何であなたがここにいるのよ!!」
アイは少し走ったあと、走るのをやめて立ち止まった。
「・・・・・」
「ルイス、追い掛けなさいよ」
「無理だよ」
「そう・・・じゃあ現場検証のために警察呼ぶから早いところ帰って頂戴。メカ・インディオのあと片付けをしなくちゃいけないから」
「ああ・・・」
***
「つまんないの」
レダは口を尖らせた。
「何がだ」
「なんか面白くない。それにこの格好でアイに会うなんて」
「彼女は我々を一人だと思っているからな」
「兄貴、ちょっと遊んできてもいい?観光よ。観光」
「どこにだ」
「どこだっていいじゃん。ちゃんと変装するからさ」
「あの喫茶店だろ」
「なんでわかるんだよ」
***
アイが携帯電話で警察を呼び、数人駆け付けたのち、アイを除くピーターら四人はルイスの車に乗ってその場を後にした。
「兄貴、ここまででいいよ。後はバスかなんか拾って帰るからさ」
「ああ。そうだとも」
山のふもとの道は人でごった返しているので、でこぼこした裏道を通って一度南の町に出る。
「いいよ。送る」
三人はルイスの事を気にしていた。そろそろ、帰路と南の町、つまりカレンがいる町との分岐点にくる。
「おいテドロ、それからマルコ」
「何だい、おっさん」
助手席のピーターは振り返って二人にささやく。
「逃げるぞ」
「もちろん」
ガバッ!!と三人はそれぞれドアを開け、車から飛び降りた。バタバタとドアを閉める音。
「あーっ!こら!!」
ルイスは運転席から叫んだ。
「呪いは解けたんじゃないのかよ!?」
三人はにやにや笑っている。どうやら呪いはまだ少し残っているようだ。
「頑張れルイス!」
「頑張れ兄貴!」
「チャオ!」
「お前等・・・」
後続車がクラクションを鳴らす。
「チッ・・・」
ルイスはハンドルを切った。
「やったぜおっさん!」
「さ、帰るか」
「ピーターさん、あなたはいつまでこの町にいらっしゃるんです?よければ二、三枚ほどサインをいただきたいのですが」
「ああ。かまわないよ。そうだなぁ、しばらく観光でも楽しむか」
三人は山を掛け下りた。
「何か曲でも作りたいよ。いい曲ができそうだ」
ピーターは笑った。
最終話「その後、カフェにて」につづく
怪物紳士の歌 第十三話 12/16/2007
第十三話 爆発跡
まさにその爆発が起きるという頃、ピーター達を乗せた車は、ゴーストタウンに来ていた。
「ここよ。きっと奥にいるわ」
カレンはトラックを止めて入り口に敷かれてあるコーンを退かした。
「入っていいの?」
「誰も来やしないわよ」
周りは普通に森。右にしばらく行けば湖が見える。そして来た道を少し戻ればゴミ捨て場。前に広がるのは自然の森を切り開いて建てられたマンション群。おそらく昔は白くて綺麗な外装だったが、今では壁は汚れ、ツタ植物が這っている。窓ガラスは割れ、建物自体にも亀裂が入っており、確かに危険な様子である。
「警察には言わないでね」
「あ、ごめん、あたし、警察なの。すっかり言うの忘れてたわ」
ピーターとのおしゃべりに慣れてきたせいであろう、すっかり自分が警察であることを忘れていた。
「そう・・・」
「かまわないわ。進んで頂戴」
アイはゴーストタウンの先を睨む。長く続く暗い建物たち。住宅だけでなく、昔に商店やレストランがあったような面影。ざっくばらんに生えた雑草、ひっぺがえされたアスファルト。
「決着を付けようじゃないのよ。その、メカ・インディオとやらと」
その時、一匹の猫が目の前を通り過ぎた。
「ア、アイ・・・」
ピーターはその猫が通った後を見て、驚いた。
「冗談じゃないぜ・・・ここは墓場だ!」
「!!」
見ると、地面には小さな骸骨があった。そして散らばった細い骨。鳥肉でもない。きっと、何らかの小動物。
「あっ、こっちにも・・・」
ばらばらになった細い骨。そして、鳥の頭蓋骨のようなもの・・・
「帰りましょうか?」
カレンは尋ねる。
「い、いや、行ってくれ」
「あら、ピーター、怖いの?」
「怖いよ。気味が悪い」
車は奥へと進んでいく。商店街を越え、広場に出て、さらに奥へ。
「ところであなたは」
アイが突然口にする。
「?」
「どうしてメカ・インディオに呪いを?」
「・・・・・」
カレンは黙った。しばらくして、口を開いた。
「たまたま・・・近くの墓地にいたらそうなったの」
「そう・・・」
「この辺り一体は誰も近づこうとはしないわ。ここに来て行方不明になった人もいる」
「メカ・インディオの仕業ね」
「そうだろうな」
車はゴーストタウンの中央に来たくらいで左に曲がる。少しゴミ捨て場寄りだ。
「ここよ」
カレンが指差した先に、山に続く小さな石段があった。
「メカ・インディオはこの階段の上にある展望台に住んでる」
「知ってたの?」
「噂よ。この展望台は昔人身供儀が行われていたの」
「人身供儀?」
「人間を生け贄に捧げることよ。よくこんなところにコンビナートが建ったものだわ」
「・・・そうだな」
「メカ・インディオが怒るのも無理はないわ」
「登りますか?」
再度、カレンは尋ねる。
「その必要はない」
突然、背後から声がした。
メカ・インディオである。
「誰だっ!?」
「ここはお前達の墓場だ。すばらしい墓場を選んだ。手厚く葬ってやろう」
ヒュッ!
矢が地面に突き刺さる。その後も二、三本刺さる。
「!!」
アイはすかさず腕時計に隠してある小型のカメラで写真を撮る。だが、信頼してくれるであろうか。そんなことよりも、メカ・インディオは何を・・・
「ほう、わざわざ殺されに来たか」
三人とも、動きは機敏だったのか、矢は避けることができた。メカ・インディオは一度矢を放つのをやめ、ピーターたちをギロッと見た。
「・・・!!」
顔は金属の板を骸骨の形に張り合わせたような形で、胴体もすべて骨格のように金属で骨組みがされている。背骨は曲がっており、巨大なネズミのように四つ足で歩く。目は空洞。そして、頭にはバンドに長い鳥の羽。そして片手には大きな剣、背中に弓矢。
「確かに名前の通り、メカニックなインディオね」
「アイ」
ピーターは遮った。
「忠告しておく。メカ・インディオを挑発させるような言葉は言わないように」
「ラジャ・・・」
「決着を付けにきたんだとな」
メカ・インディオの突然の言葉に、アイはドキリとした。「そうよ」とも言うことができない。
「どうした?私を見てビビったか」
声は機械のような声ではなく、普通の人間の声だった。しかし、誰かが操っている様子もなく、ただの機械が動いているだけである。
「お前は生け贄にふさわしい。こんなに綺麗な生け贄が手に入るとはな」
間違いなくメカ・インディオはアイの方を見ていた。写真を撮ったことに気が付いたのだろうか?呪いとは一体何のことだろうか、と、アイの頭の中でいろいろな考えが渦巻く。
「・・・・・」
ピーターは苦笑いした。そして速攻でこう言った。
「悪いがそいつは整形手術した不細工だぜ。生け贄にするんならもっと可愛子ちゃん選ぶんだな」
「・・・!!」
先程、ピーターに「メカ・インディオを挑発させるような言葉は言わないように」と言われたばかりなのに、何だ何だこの悪口は!あたしだって好きで整形手術したわけじゃ、いや、それどころじゃない、何が「不細工」ですってぇ!?
「・・・そうか」
メカ・インディオはただただ「そうか」と、言っただけだったが、アイにとっては自分に言われた「不細工」という言葉にメカ・インディオも納得・同意しているように聞こえたのである。
「このバカタレが!!」
アイはピーターにハイキックを食らわした。
「いってぇ・・・」
そしてメカ・インディオに発砲!!パァン、パァンという軽々しい音ではない。
ズバババババババ・・・
「メカ・インディオ!こいつに呪いなんかかけたら後々とんでもないことになるぞ!」
どっちの見方をしているのかわからないピーターに、ボーッとつっ立ったままのカレン。そしてカシャン、と、音を立てて弾切れ。
「・・・・・」
ところがメカ・インディオは無傷のように見える。
「私にそんなものが効くものか」
「くっ・・・」
アイは歯を食い縛った。
そしてその時こそまさに、ヒューという音がして、爆弾が落っこちてきたのだ。
***
また、テドロを乗せたレダの赤いスポーツカーはゴーストタウンの入り口に来ていた。
「コンビナートニュータウン?安易なネーミングね」
一度車を止め、レダはサングラスを取り、右手で自分のこめかみを押した。
カシャッ
と、小さな音がした。普通の人にならきっと聞こえないくらいの音だろう。
「カメラ?」
テドロは後部座席から尋ねた。
「そうよ」
さらにレダはこめかみを二、三回押す。
「レダ、車の跡がある。おそらく彼らは中に入ったんだろう」
ペッパーは助手席にいた。少し身を乗り出して、ピーターたちが乗っていった車の跡を確認した。
「レダ、運転かわれ。写真を頼む」
「あいよ」
一旦エンジン切り、ペッパーが運転席に着くと、再びエンジンを入れた。
「どうしたの?」
「嫌な予感がする」
「どんな?」
「勘だ」
「またそんなこと言って。兄貴の勘はあんまり当たらないんだから」
「違う今回は」
ヒューーーーー!!
突然、ロケットが発射されたような細い音がした。
「?」
「逃げるぞ」
ペッパーはハンドルを切り、アクセルに力を入れた。
ドオオオオオオン!!
ゴーストタウンは炎上し、瓦礫の山と化した。
第十四話「歌よ、響け」につづく
まさにその爆発が起きるという頃、ピーター達を乗せた車は、ゴーストタウンに来ていた。
「ここよ。きっと奥にいるわ」
カレンはトラックを止めて入り口に敷かれてあるコーンを退かした。
「入っていいの?」
「誰も来やしないわよ」
周りは普通に森。右にしばらく行けば湖が見える。そして来た道を少し戻ればゴミ捨て場。前に広がるのは自然の森を切り開いて建てられたマンション群。おそらく昔は白くて綺麗な外装だったが、今では壁は汚れ、ツタ植物が這っている。窓ガラスは割れ、建物自体にも亀裂が入っており、確かに危険な様子である。
「警察には言わないでね」
「あ、ごめん、あたし、警察なの。すっかり言うの忘れてたわ」
ピーターとのおしゃべりに慣れてきたせいであろう、すっかり自分が警察であることを忘れていた。
「そう・・・」
「かまわないわ。進んで頂戴」
アイはゴーストタウンの先を睨む。長く続く暗い建物たち。住宅だけでなく、昔に商店やレストランがあったような面影。ざっくばらんに生えた雑草、ひっぺがえされたアスファルト。
「決着を付けようじゃないのよ。その、メカ・インディオとやらと」
その時、一匹の猫が目の前を通り過ぎた。
「ア、アイ・・・」
ピーターはその猫が通った後を見て、驚いた。
「冗談じゃないぜ・・・ここは墓場だ!」
「!!」
見ると、地面には小さな骸骨があった。そして散らばった細い骨。鳥肉でもない。きっと、何らかの小動物。
「あっ、こっちにも・・・」
ばらばらになった細い骨。そして、鳥の頭蓋骨のようなもの・・・
「帰りましょうか?」
カレンは尋ねる。
「い、いや、行ってくれ」
「あら、ピーター、怖いの?」
「怖いよ。気味が悪い」
車は奥へと進んでいく。商店街を越え、広場に出て、さらに奥へ。
「ところであなたは」
アイが突然口にする。
「?」
「どうしてメカ・インディオに呪いを?」
「・・・・・」
カレンは黙った。しばらくして、口を開いた。
「たまたま・・・近くの墓地にいたらそうなったの」
「そう・・・」
「この辺り一体は誰も近づこうとはしないわ。ここに来て行方不明になった人もいる」
「メカ・インディオの仕業ね」
「そうだろうな」
車はゴーストタウンの中央に来たくらいで左に曲がる。少しゴミ捨て場寄りだ。
「ここよ」
カレンが指差した先に、山に続く小さな石段があった。
「メカ・インディオはこの階段の上にある展望台に住んでる」
「知ってたの?」
「噂よ。この展望台は昔人身供儀が行われていたの」
「人身供儀?」
「人間を生け贄に捧げることよ。よくこんなところにコンビナートが建ったものだわ」
「・・・そうだな」
「メカ・インディオが怒るのも無理はないわ」
「登りますか?」
再度、カレンは尋ねる。
「その必要はない」
突然、背後から声がした。
メカ・インディオである。
「誰だっ!?」
「ここはお前達の墓場だ。すばらしい墓場を選んだ。手厚く葬ってやろう」
ヒュッ!
矢が地面に突き刺さる。その後も二、三本刺さる。
「!!」
アイはすかさず腕時計に隠してある小型のカメラで写真を撮る。だが、信頼してくれるであろうか。そんなことよりも、メカ・インディオは何を・・・
「ほう、わざわざ殺されに来たか」
三人とも、動きは機敏だったのか、矢は避けることができた。メカ・インディオは一度矢を放つのをやめ、ピーターたちをギロッと見た。
「・・・!!」
顔は金属の板を骸骨の形に張り合わせたような形で、胴体もすべて骨格のように金属で骨組みがされている。背骨は曲がっており、巨大なネズミのように四つ足で歩く。目は空洞。そして、頭にはバンドに長い鳥の羽。そして片手には大きな剣、背中に弓矢。
「確かに名前の通り、メカニックなインディオね」
「アイ」
ピーターは遮った。
「忠告しておく。メカ・インディオを挑発させるような言葉は言わないように」
「ラジャ・・・」
「決着を付けにきたんだとな」
メカ・インディオの突然の言葉に、アイはドキリとした。「そうよ」とも言うことができない。
「どうした?私を見てビビったか」
声は機械のような声ではなく、普通の人間の声だった。しかし、誰かが操っている様子もなく、ただの機械が動いているだけである。
「お前は生け贄にふさわしい。こんなに綺麗な生け贄が手に入るとはな」
間違いなくメカ・インディオはアイの方を見ていた。写真を撮ったことに気が付いたのだろうか?呪いとは一体何のことだろうか、と、アイの頭の中でいろいろな考えが渦巻く。
「・・・・・」
ピーターは苦笑いした。そして速攻でこう言った。
「悪いがそいつは整形手術した不細工だぜ。生け贄にするんならもっと可愛子ちゃん選ぶんだな」
「・・・!!」
先程、ピーターに「メカ・インディオを挑発させるような言葉は言わないように」と言われたばかりなのに、何だ何だこの悪口は!あたしだって好きで整形手術したわけじゃ、いや、それどころじゃない、何が「不細工」ですってぇ!?
「・・・そうか」
メカ・インディオはただただ「そうか」と、言っただけだったが、アイにとっては自分に言われた「不細工」という言葉にメカ・インディオも納得・同意しているように聞こえたのである。
「このバカタレが!!」
アイはピーターにハイキックを食らわした。
「いってぇ・・・」
そしてメカ・インディオに発砲!!パァン、パァンという軽々しい音ではない。
ズバババババババ・・・
「メカ・インディオ!こいつに呪いなんかかけたら後々とんでもないことになるぞ!」
どっちの見方をしているのかわからないピーターに、ボーッとつっ立ったままのカレン。そしてカシャン、と、音を立てて弾切れ。
「・・・・・」
ところがメカ・インディオは無傷のように見える。
「私にそんなものが効くものか」
「くっ・・・」
アイは歯を食い縛った。
そしてその時こそまさに、ヒューという音がして、爆弾が落っこちてきたのだ。
***
また、テドロを乗せたレダの赤いスポーツカーはゴーストタウンの入り口に来ていた。
「コンビナートニュータウン?安易なネーミングね」
一度車を止め、レダはサングラスを取り、右手で自分のこめかみを押した。
カシャッ
と、小さな音がした。普通の人にならきっと聞こえないくらいの音だろう。
「カメラ?」
テドロは後部座席から尋ねた。
「そうよ」
さらにレダはこめかみを二、三回押す。
「レダ、車の跡がある。おそらく彼らは中に入ったんだろう」
ペッパーは助手席にいた。少し身を乗り出して、ピーターたちが乗っていった車の跡を確認した。
「レダ、運転かわれ。写真を頼む」
「あいよ」
一旦エンジン切り、ペッパーが運転席に着くと、再びエンジンを入れた。
「どうしたの?」
「嫌な予感がする」
「どんな?」
「勘だ」
「またそんなこと言って。兄貴の勘はあんまり当たらないんだから」
「違う今回は」
ヒューーーーー!!
突然、ロケットが発射されたような細い音がした。
「?」
「逃げるぞ」
ペッパーはハンドルを切り、アクセルに力を入れた。
ドオオオオオオン!!
ゴーストタウンは炎上し、瓦礫の山と化した。
第十四話「歌よ、響け」につづく