怪物紳士の歌 第二話 11/02/2007
第二話 夜道
ピーターは部屋に戻るなり、ウレタンのベッドに仰向けになった。壁はコンクリート、小さな棚が一つ。小さな椅子と机が一つ。
またか・・・
頭痛がひどくなる。
ピーターは体を起こし持ってきたトランクを開き、小さな箱型のレコードプレイヤーを取り出した。
中から音楽が聞こえる。
「ベートーベン 月光」
重たいピアノの音。ピーターは手を伸ばして窓を開く。
青白く光る部屋。静かになびく白いカーテン。見渡すと裏路地、隣家、スラム街。
「・・・・・」
まったく静かな町というわけではないが、工場が稼働しているため夜勤の人もいるのだろう。車の音が聞こえる。
「メカ・インディオもすぐ近くまで来ているな」
ピーターは疲れた体を叩き起こし、窓から外に出た。
そしてストンという静かな音を立て、裏路地に着地した。
「・・・・・」
そのピーターの一連の様子を、別の角度から見ていた人物がいた。
「何だあいつは・・・?」
つまりピーターは三階の窓から飛び降りたわけだ。普通の人間では、ありえない。
「おかしな奴だ。どうりで不思議な波長を感じるわけだ」
肩に着かないくらいまで伸ばした髪に、黒いタンクトップ、黒い長ズボン。彼はカフェより少し高い建物の屋根に、あぐらをかいて座っていた。空は曇っている。路地裏に降りると、おそらく真っ暗で何も見えない。
「奴を捕えようか。いや、しばらく様子を見よう」
彼は口を釣り上げて笑った。まるで、悪魔が町を見下ろしているようである。
一方、ピーターは裏路地を彷徨っていた。
「何故だ?どこに隠れている、メカ・インディオめ・・・」
ガッ!
「!!」
ドサッ!!
ピーターは何かにつまずいて前に倒れてしまった。レンガが手に痛い。
ガン!!
ピーターは後ろ頭を殴られた。ピーターはピンと張られたロープにつまずいて倒れてしまったのだった。
「ぐっ・・・」
四、五人の大柄な男たちに囲まれ、体を押さえ付けられ、上着を探られた。ピーターは黙っていた。
「・・・?」
ところが、ピーターは何も手に持っていなかったので、男たちは上着だけを奪って逃走した。
「くっ・・・この町が危険だというのによくもまぁ・・・」
ピーターはうつ伏せの状態から手を着いて上半身だけを起こした。
コツコツコツ・・・
暗闇から足音が聞こえる。そして、だんだんと近くなる。
「バカだな、お前」
「・・・・・」
ピーターは黙ったまま起き上がり、埃を払った。その声は、まだ声変わりのしていない少年のような高い声である。
「俺にかまうな」
「お前誰だよ」
「ガキは家に帰れ」
ピーターはその少年の方に振り向きもせず、さらに道を行こうとした。
「待てよ」
小走りで追い掛ける。
「お前、なんで三階から飛び降りても死なない?」
「・・・・・」
ピーターはゆっくりと振り返る。
「お、おい・・・」
少年はピーターを見て驚いた。ピーターのこめかみあたりから、羊のような角が生えていた。
「お前にも聞くが」
ピーターは鋭い目で少年を見る。
「なっ、なんだよ・・・」
「なぜこの暗闇でも私が見える?」
「・・・!!」
ピーターも彼の正体を見破っていた。少年は怖くなって駆け出した。
「待て!」
ピーターは追い掛けた。
「ちっ・・・」
追い掛けられた少年は曲がり角で上空に飛び立つ。そして、屋根の上に座る。
「やはりあいつ、人間じゃない」
ところが、ピーターはその建物の壁をはい上がり、追い掛けてきた。
「げ」
「お前は誰だ?メカ・インディオの手先か」
壁にへばりついたまま、ピーターは見上げる。
「俺の知ったことじゃねえ」
その少年は屋根から屋根へと飛んでいき、姿を消した。
「待て!」
・・・取り逃がしたか
「変な少年だ」
ピーターは部屋に戻り、横になった。
翌日。
「おはよう」
ルイスはモーニングセットの準備をしていた。それを見計らって、ピーターは厨房に来た。窓からは朝日が暗い店内を静かに照らす。この町は住宅が密集しているので、採光はなかなか難しかった。
「おはよう」
「ルイス、聞いてもいいか」
「何を」
「この町に変な浮浪児がいないか?」
「たくさんいるよ。よく残り物をあさりにくる」
「髪の黒い子、上下黒、タンクトップ、空を飛ぶ奴」
「何それ」
「よくわからん」
「君の仲間?」
「違う、初対面だ」
「空飛ぶなんて初めて聞いた」
「同じ呪いがかかっているのかもしれない」
「・・・そう」
その時、入り口の方から明るい声がした。
「ルイスあーにきっ!」
その声に聞き覚えのあるピーターは、すぐさまカウンターの影に隠れた。
「やあテド・・・どうしたんだい?こんな朝早くから」
「昨日、変な奴を見た」
「何を」
「この三階に変なおっさんがいるだろ」
「うん」
「モゴガゴ・・・」
テドと呼ばれた少年の口を、後ろからピーターは両手で押さえた。ところが、少年はピーターに歯向かい、ピーターの腹にキックを入れようとした。しかしピーターは少年の腕をつかみ、いとも簡単に放り投げた。
ガシャアン!!
数脚の椅子が倒れる。
「テド!」
ルイスが驚いたのは、それだけではなかった。ピーターの方に振り返ると、ピーターは青白い肌をしていた。
「えっ」
青白いと言うよりかは、水色、もしくは緑がかっている。所々オレンジ色や黄色の斑点のようなものがある。そしてこめかみの辺りから、羊のような太い角が生えていた。
「ルイス!やっぱりあいつは化けもんだ!!」
「そ、そりゃそうだけどさ・・・」
「すまない」
ピーターは頭を下げた。
「力が有り余った」
とたんにピーターはもとの人間の姿に戻った。
「誰だこいつ!?俺を殺しにきたのか!?」
「テド、落ち着いて」
ピーターはゆっくりと話しはじめる。
「私はピーター・ベンジャミン。メカ・インディオに呪いをかけられた人間だ。お前こそ誰だ」
「・・・・・」
少年は口籠もる。
「俺はテドロ・ガルボ。六歳くらいまでメカ・インディオに育てられた人間さ」
「何だと!?」
「テド!?」
どうやらルイスは知らなかったらしい。
「そうさ。さらわれたのか親が捨てたのかどっちかわからねぇがな」
「今は?」
「養子縁組でじーさんばーさんに世話になってるよ」
「特殊な能力を持っているようだな?」
「ああ。コウモリみたいな性格だ。だからお前が暗闇にいてもわかったんだよ」
テドロは吐き捨てるように言った。ピーターはクスッと笑った。
「何だぁ?何がおかしい」
「いい仲間ができた」
「何が」
「メカ・インディオ退治に協力してくれ」
「でも俺、結構気に入ってるぜ、この体」
「お前の体の問題じゃない」
「・・・・・」
「メカ・インディオはこの町を破壊しようとしているんだぞ」
「・・・わかった」
テドロは仕方がないと思った。
「それも有り得る。協力する」
ピーターはほっとした。
第三話「鳥人マルコ」につづく
ピーターは部屋に戻るなり、ウレタンのベッドに仰向けになった。壁はコンクリート、小さな棚が一つ。小さな椅子と机が一つ。
またか・・・
頭痛がひどくなる。
ピーターは体を起こし持ってきたトランクを開き、小さな箱型のレコードプレイヤーを取り出した。
中から音楽が聞こえる。
「ベートーベン 月光」
重たいピアノの音。ピーターは手を伸ばして窓を開く。
青白く光る部屋。静かになびく白いカーテン。見渡すと裏路地、隣家、スラム街。
「・・・・・」
まったく静かな町というわけではないが、工場が稼働しているため夜勤の人もいるのだろう。車の音が聞こえる。
「メカ・インディオもすぐ近くまで来ているな」
ピーターは疲れた体を叩き起こし、窓から外に出た。
そしてストンという静かな音を立て、裏路地に着地した。
「・・・・・」
そのピーターの一連の様子を、別の角度から見ていた人物がいた。
「何だあいつは・・・?」
つまりピーターは三階の窓から飛び降りたわけだ。普通の人間では、ありえない。
「おかしな奴だ。どうりで不思議な波長を感じるわけだ」
肩に着かないくらいまで伸ばした髪に、黒いタンクトップ、黒い長ズボン。彼はカフェより少し高い建物の屋根に、あぐらをかいて座っていた。空は曇っている。路地裏に降りると、おそらく真っ暗で何も見えない。
「奴を捕えようか。いや、しばらく様子を見よう」
彼は口を釣り上げて笑った。まるで、悪魔が町を見下ろしているようである。
一方、ピーターは裏路地を彷徨っていた。
「何故だ?どこに隠れている、メカ・インディオめ・・・」
ガッ!
「!!」
ドサッ!!
ピーターは何かにつまずいて前に倒れてしまった。レンガが手に痛い。
ガン!!
ピーターは後ろ頭を殴られた。ピーターはピンと張られたロープにつまずいて倒れてしまったのだった。
「ぐっ・・・」
四、五人の大柄な男たちに囲まれ、体を押さえ付けられ、上着を探られた。ピーターは黙っていた。
「・・・?」
ところが、ピーターは何も手に持っていなかったので、男たちは上着だけを奪って逃走した。
「くっ・・・この町が危険だというのによくもまぁ・・・」
ピーターはうつ伏せの状態から手を着いて上半身だけを起こした。
コツコツコツ・・・
暗闇から足音が聞こえる。そして、だんだんと近くなる。
「バカだな、お前」
「・・・・・」
ピーターは黙ったまま起き上がり、埃を払った。その声は、まだ声変わりのしていない少年のような高い声である。
「俺にかまうな」
「お前誰だよ」
「ガキは家に帰れ」
ピーターはその少年の方に振り向きもせず、さらに道を行こうとした。
「待てよ」
小走りで追い掛ける。
「お前、なんで三階から飛び降りても死なない?」
「・・・・・」
ピーターはゆっくりと振り返る。
「お、おい・・・」
少年はピーターを見て驚いた。ピーターのこめかみあたりから、羊のような角が生えていた。
「お前にも聞くが」
ピーターは鋭い目で少年を見る。
「なっ、なんだよ・・・」
「なぜこの暗闇でも私が見える?」
「・・・!!」
ピーターも彼の正体を見破っていた。少年は怖くなって駆け出した。
「待て!」
ピーターは追い掛けた。
「ちっ・・・」
追い掛けられた少年は曲がり角で上空に飛び立つ。そして、屋根の上に座る。
「やはりあいつ、人間じゃない」
ところが、ピーターはその建物の壁をはい上がり、追い掛けてきた。
「げ」
「お前は誰だ?メカ・インディオの手先か」
壁にへばりついたまま、ピーターは見上げる。
「俺の知ったことじゃねえ」
その少年は屋根から屋根へと飛んでいき、姿を消した。
「待て!」
・・・取り逃がしたか
「変な少年だ」
ピーターは部屋に戻り、横になった。
翌日。
「おはよう」
ルイスはモーニングセットの準備をしていた。それを見計らって、ピーターは厨房に来た。窓からは朝日が暗い店内を静かに照らす。この町は住宅が密集しているので、採光はなかなか難しかった。
「おはよう」
「ルイス、聞いてもいいか」
「何を」
「この町に変な浮浪児がいないか?」
「たくさんいるよ。よく残り物をあさりにくる」
「髪の黒い子、上下黒、タンクトップ、空を飛ぶ奴」
「何それ」
「よくわからん」
「君の仲間?」
「違う、初対面だ」
「空飛ぶなんて初めて聞いた」
「同じ呪いがかかっているのかもしれない」
「・・・そう」
その時、入り口の方から明るい声がした。
「ルイスあーにきっ!」
その声に聞き覚えのあるピーターは、すぐさまカウンターの影に隠れた。
「やあテド・・・どうしたんだい?こんな朝早くから」
「昨日、変な奴を見た」
「何を」
「この三階に変なおっさんがいるだろ」
「うん」
「モゴガゴ・・・」
テドと呼ばれた少年の口を、後ろからピーターは両手で押さえた。ところが、少年はピーターに歯向かい、ピーターの腹にキックを入れようとした。しかしピーターは少年の腕をつかみ、いとも簡単に放り投げた。
ガシャアン!!
数脚の椅子が倒れる。
「テド!」
ルイスが驚いたのは、それだけではなかった。ピーターの方に振り返ると、ピーターは青白い肌をしていた。
「えっ」
青白いと言うよりかは、水色、もしくは緑がかっている。所々オレンジ色や黄色の斑点のようなものがある。そしてこめかみの辺りから、羊のような太い角が生えていた。
「ルイス!やっぱりあいつは化けもんだ!!」
「そ、そりゃそうだけどさ・・・」
「すまない」
ピーターは頭を下げた。
「力が有り余った」
とたんにピーターはもとの人間の姿に戻った。
「誰だこいつ!?俺を殺しにきたのか!?」
「テド、落ち着いて」
ピーターはゆっくりと話しはじめる。
「私はピーター・ベンジャミン。メカ・インディオに呪いをかけられた人間だ。お前こそ誰だ」
「・・・・・」
少年は口籠もる。
「俺はテドロ・ガルボ。六歳くらいまでメカ・インディオに育てられた人間さ」
「何だと!?」
「テド!?」
どうやらルイスは知らなかったらしい。
「そうさ。さらわれたのか親が捨てたのかどっちかわからねぇがな」
「今は?」
「養子縁組でじーさんばーさんに世話になってるよ」
「特殊な能力を持っているようだな?」
「ああ。コウモリみたいな性格だ。だからお前が暗闇にいてもわかったんだよ」
テドロは吐き捨てるように言った。ピーターはクスッと笑った。
「何だぁ?何がおかしい」
「いい仲間ができた」
「何が」
「メカ・インディオ退治に協力してくれ」
「でも俺、結構気に入ってるぜ、この体」
「お前の体の問題じゃない」
「・・・・・」
「メカ・インディオはこの町を破壊しようとしているんだぞ」
「・・・わかった」
テドロは仕方がないと思った。
「それも有り得る。協力する」
ピーターはほっとした。
第三話「鳥人マルコ」につづく
て、角!?ピーター様に角!!?
ふぅっ・・・←貧血
でも、またそれもいいかも・・・←妄想(笑
しかも、3階から飛び降りて大丈夫・・・。
かっこいい・・・
メカ・インディオの呪いは、体まで変えてしまうんですね。
のぅ・・、恐ろしい・・・。
そして、この街を狙っている。
新しくできた仲間、メカ・インディオに育てられた少年、テドロくん。
やんちゃな雰囲気が、かわいい☆
ルイスあ〜にきっ!
に、可愛いと思ってしまった、あぁ、もうおばさんね・・・のkazuでした♪
ふぅっ・・・←貧血
でも、またそれもいいかも・・・←妄想(笑
しかも、3階から飛び降りて大丈夫・・・。
かっこいい・・・
メカ・インディオの呪いは、体まで変えてしまうんですね。
のぅ・・、恐ろしい・・・。
そして、この街を狙っている。
新しくできた仲間、メカ・インディオに育てられた少年、テドロくん。
やんちゃな雰囲気が、かわいい☆
ルイスあ〜にきっ!
に、可愛いと思ってしまった、あぁ、もうおばさんね・・・のkazuでした♪
kazu osino 11/02/2007 Fri URL [ Edit ]
----------------------------------------------------------------
楓さん・・・早速コメントありがとう!!
で、でもメカ・インディオ!!
それでもメカ・インディオ!!
まだまだ出ません。がんばって我慢してください。
kazuさん・・・おおお、貧血まで(笑)
ピーター、しかもハートマークの絵文字まで使っていただいて←おい
うふふ、テドちゃん、ピーターに向かっておっさん呼ばわりしていますがね。かわいがってやってください☆
で、でもメカ・インディオ!!
それでもメカ・インディオ!!
まだまだ出ません。がんばって我慢してください。
kazuさん・・・おおお、貧血まで(笑)
ピーター、しかもハートマークの絵文字まで使っていただいて←おい
うふふ、テドちゃん、ピーターに向かっておっさん呼ばわりしていますがね。かわいがってやってください☆
ピーター(開き直って呼ぶ)を見ていたのは。
メカ・インディオに育てられた。育てられた…ううん、メカのイメージがわきにくくて、すみませんorzどんなヤツなんだろう。
ピーターって有名人なんですよね〜。他に正体を知っている人がいそうで、ドキドキします><
メカも相当なヤツっぽいけど、町の人は無知???そこのところも気になります〜
続きも楽しみにお伺いいたします♪
あ、そして×2大変遅ればせながら、こちらからもリンクをいただいていきます〜!
よろしくお願いします♪
余談ですが…私もトーマス好きですよ!ふ!
目覚ましがトーマス!!(力説)
「遅刻するよ?出発、進行〜」って毎朝言います。ふふふふふ(変)
メカ・インディオに育てられた。育てられた…ううん、メカのイメージがわきにくくて、すみませんorzどんなヤツなんだろう。
ピーターって有名人なんですよね〜。他に正体を知っている人がいそうで、ドキドキします><
メカも相当なヤツっぽいけど、町の人は無知???そこのところも気になります〜
続きも楽しみにお伺いいたします♪
あ、そして×2大変遅ればせながら、こちらからもリンクをいただいていきます〜!
よろしくお願いします♪
余談ですが…私もトーマス好きですよ!ふ!
目覚ましがトーマス!!(力説)
「遅刻するよ?出発、進行〜」って毎朝言います。ふふふふふ(変)
うおー!!
トーマス!!←そこか!?
目覚まし!!私はOPのちゃちゃちゃちゃ〜ちゃちゃっちゃ〜♪ってやつです。
いやいや、テド君。町の人、町の人は知りません。お互いに秘密にしているそうです。
メカ・インディオは自由に想像してください。えぇ。
あぅトーマス・・・
トーマス!!←そこか!?
目覚まし!!私はOPのちゃちゃちゃちゃ〜ちゃちゃっちゃ〜♪ってやつです。
いやいや、テド君。町の人、町の人は知りません。お互いに秘密にしているそうです。
メカ・インディオは自由に想像してください。えぇ。
あぅトーマス・・・
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それにしても…
それにしてもメカインディオ!
なんてカッコイイ、しびれるネーミング!!
うふぅ。
早くお姿を見てみたい。
え?
ええ、もちろんがんばれ!
ピーター! テドロ!!笑