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怪物紳士の歌 第五話  11/06/2007  
第五話 ルイス、捕まる

テドロは少しびくびくしていた。
「どうやってここに登ってきたんだ?」
テドロはキッと睨む。
「あなたの方こそ」
「・・・・・」
お互いはお互いを隠して結論は出ない。
「・・・!!」
結局テドロは逃げ出した。その新聞記者も深追いはしなかった。

***

「何でお前まで付いてくるんだ」

走りながらピーターはルイスに吐き捨てるように言う。

「知るかよ!!」

「いたぞ!」

警官達の声が聞こえる。どうやら周辺住民には迷惑を掛けないようにパトカーやヘリコプターは使っていないみたいだ。

「こっちだ!裏路地に入る」
道はルイスの方が詳しい。ピーターはルイスが行く方に行く。急いで走っているのでルイスの義手はカシャンカシャンと音を立てる。

義手が重たい。

「失礼ですが、新聞の取材に応じていただけませんか」
「!?」

突然、二人の前に男が立ちふさがった。低い男の声。長く伸びたパーマの髪に、ベージュのコート。

先程の新聞記者である。

「ピーター、こっちに逃げよう」

ルイスの先導により、ピーターはさらに町の奥へと逃げる。石が粗雑に組まれており、石垣や塀を飛び越えたり飛び降りたりしながら、暗い道を駆け抜けた。ピーターは時折発狂して頭が痛くなり、吐き気もしたが、黙って後を付けた。

「こんばんは」

またしても再び、二人の前に男が立ちふさがった。

「!?」

「失礼ですが、新聞の取材に応じていただけませんか」

「こ、こっちだ!」

ルイスはまた別の方向に逃げようとした。

「失礼ですが」

ところが、いくら逃げ道を変えようとしても、例の新聞記者は行くところ行くところで待ち伏せをしているのだ。

「一体何なんだ!?あの新聞記者」
「ルイス、二手に分かれよう」
「えっ」
町の中の少し広い広場に出た。二人は荒く息を立てている。

「これ以上君に危険な思いはさせたくない」
「わかった」

「行くぞ!」

二人は別行動を取ることにした。

ピーターはルイスと別れるとすぐ、民家の壁を登り、屋上に来た。ルイスの逃げる足音が聞こえる。

「ふぅ・・・」

騒ぐ町並みに、街灯の光。夜空には三日月と南十字星。夏のカーニバルが終わり、静かに秋を感じる済んだ夜空。頭をひねればいい曲が一曲作れそうだが、そんな余裕もなく、今までに作った曲の中のフィーリングが合う曲を探しては頭の中で奏でていた。だが頭が痛い。せっかくこの町に来たのに、ゆっくりできる暇もない!!

「空想の最中失礼ですが」
「!?」

さすがにこれにはピーターも驚いた。ここは屋根の上、後ろから男の声、そして声の主はあの新聞記者だった。

「これは驚いたな」

これにはもう開き直るしかない。
「お見事だ」
ピーターはそう言って頭を垂れた。
「光栄です」

町の中では、ピーターはあっちに行っただとかこっちに行っただとか混乱が起きているようだ。なんせ、ピーターは上空に逃げたものだから・・・

「なぜ屋根の上にいる?」
ピーターは疑問に思ったことを投げ掛けた。
「企業秘密です」
ピーターはクスッと笑った。
「それに答えたら取材に応じてやる」
「・・・・・」
「なら諦めるんだな」
ピーターは背を向けて立ち去ろうとした。

「私からも聞くが」

ピーターは振り返る。

「なぜ角が生えている」

「!?」

慌ててピーターは自分のこめかみを触ったが、角のようなものは生えていなかった。新聞記者は薄笑いを浮かべている。

「貴様・・・」

「あなたがコンサートをすっぽかしたのはそのせいでしょう?」
「警察は知っているのか?」
「さあ」
得意げに新聞記者は答える。
「・・・・・」
「一体どうしたんでしょうか」

「メカ・インディオだ」
「メカ・インディオ?」

「取材に答えられるのはここまでだ」

ピーターは星空を背景に屋根を飛びながら遠くへ逃げた。

「メカ・インディオ?」

新聞記者はその場に立ち尽くしていた。ハッとしてすかさず、マイクに向かってささやく。

「レーダー、ピーター・ベンジャミンはメカ・インディオについて何か知っているみたいだ・・・奴を捕獲する」

そして彼は走りだした。

***

ルイスはピーターと逆の方向に走った。暗い町並み、追い掛ける警官たち。ルイスの後を、ドタバタと足音を立てながら追い掛けてくる。先程よりも人数が少ないのか、足跡が小さく聞こえた。恐らく、ピーターと別れた地点で警察側も二手に分かれたのであろう。

「あっ!」

ルイスの前に、高い壁が現われた。行き止まりである。

「しまった!!」

カッ!

警察が持っていた光の強い懐中電灯がルイスを襲う。思わずルイスも片目を瞑った。

「あら」

一群の警官の中から、明るい女の声。

「あなただったのね」

真っ赤な唇から出てくる、色っぽい声。腰までスリットの入った真っ赤なドレスに、赤いハイヒール。白く美しく伸びた手先には、真っ赤なマニキュアに、黒いピストル。

「でもいいわ。付いてきて頂戴」

ルイスは壁にもたれ掛かって頭を垂れた。もう自分は追い詰められてつかまってしまったのだ。

「待ちな」

ルイスの右側から、低い男の声がした。警察のライトが当たっていない、暗い片隅に腕を組んで壁にもたれていた。

「その男にかまったって何もありゃしないぜ、アイさんよ」

ベージュ色のロングコートにお揃いのテンガロンハット。そして長い天然パーマの黒髪。

「あっ・・・」

さっきまで自分達を追い掛けていた奴だった。逃げようとも、いつも先回りされている不気味な奴だった。

「あらペッパー、ちょうどいいわ。ピーターはどこへ逃げたのかしら?教えて頂戴」
「表通りだ。あとはその男にかまわず奴を追い掛けるんだな」
「ウフフ・・・やけにかばうのね、その男のことを」
「・・・・・」

パァン!!

「!?」

突然アイはルイスに向かって発砲した。

カシャアンと音を立てて、ルイスの義手が落ちる。

「!?」

驚いてペッパーがアイの方を向いたときは、もう遅かった。アイはドレスの左のスリットから、ピストルを出してペッパーに向けた。

「あなたの役目は終わりよ、ペッパー」

「・・・・・」

ペッパーは両手を上げた。アイはルイスの方を向く。

「手荒くてごめんなさい」

「・・・・・」

「あなたは人質よ」

アイはペッパーの方に視線を移す。

「ペッパー、そのピーター・ベンジャミンというのに伝えて頂戴」

「・・・・・」

「午前零時にロイヤルホテルのフロントにて待ってるわ」

「・・・・・」

「さもないと彼の左手までちぎれることになるわよ」

第六話「ルーク・トロント事件」につづく
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アイさん、かっこいい〜
ドレスのスリットから、ピストルを出して・・・かっこいい←力説
登場人物のイラストを見ながら、小説読んでるともう妄想が←やばっ
って、ルイス君が捕まっちゃったし!
義手、打ち抜かれちゃったし!!
ピーター様に、助けに来て欲しいような来たらアイさんに捕まっちゃうような
・・・複雑な心境だわ(笑
うう〜ん、アイさんかっこいい!!←心酔
kazu osino  11/08/2007 Thu URL [ Edit ]
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アイちゃんにはこれから頑張ってもらわないと困るんですよ〜。メカ・インディオを証拠立ててくれないと困るんですよね!←無茶苦茶
ルイちゃん、捕まってしまいました。でもいい役やってくれるのが彼です。うふふ、登場人物紹介のイラスト、気に入ってくださってありがとうございます!!特にアイとテド君は難しかったのょ。でも一番気に入ってるのは私もアイちゃんのイラストなの〜!ありがと〜!!
茉莉  11/09/2007 Fri URL [ Edit ]
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おはようございます!
体力派新聞記者に脱帽です(笑)
逃げる様が、姜さん(一応←…でも読みが違うから←)のバトン逃亡と似ていてウケましたー(コラ!
ルイスが囚われの姫君化(ちゃう
続きがきになります!ピーター助けに来て!
だって、ルイスとピーターのコントが好きだから!←
史間  01/28/2008 Mon URL [ Edit ]
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そうそう。あのバトンはこの場面からとりました。
とらわれの姫君・・・ぶっ
吹いちゃったじゃないか!笑
そうか、いつの間にかコントができていたか!
でも完結しちゃったからなぁ。
茉莉  01/28/2008 Mon URL [ Edit ]
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